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【実態】在宅介護でかかる費用!要介護度別にシミュレーション

こんにちは、みいこです!

みなさんは、親の介護について考えはじめたとき、まずはお金の面が気になるのではないでしょうか?

「自分の家庭もあるし、子供達の教育資金もあるしなぁ」
「なんとなく自分の親を介護施設に入所させるのも罪悪感もある…」
「将来的に介護施設に入所するとしても、金銭的にもなんだか心配だし、まずは在宅介護かなぁ」

「できるだけ費用もおさえたいし、最初の何年かは在宅介護で」と考えている人がほとんどだと思います。

一般的に「在宅介護なら、介護施設に入所するよりも予算は少なく済むはず」というイメージがあるかもしれません。

しかし、在宅介護でも金銭的な負担はあります。

そこで本記事では、在宅介護と介護施設の費用面について要介護度別にシミュレーションして紹介します!

介護は誰もが必要になる時期がきますので、しっかりしたマネープランを考えましょう!

それではどうぞ!

在宅介護費用と介護年数

介護状態になったらどれくらいの期間と費用がかかるのでしょうか。

シミュレーションの前に、相場の金額を紹介します。

生命保険文化センターの調べ(「令和3年度生命保険に関する全国実態調査」)によると、介護期間は平均61.1カ月(5年1カ月)で、4~10年未満が31.5%10年以上が17.6%であり、在宅介護の費用は毎月約4.8万円となっていました。

在宅介護のおおよその金額を試算してみたところ、約370万円となりました。

別途、要介護度別の金額の資料も掲載したのでぜひ、参考にしてみてください。

在宅介護の初期費用(介護環境を整える):約74万円

在宅介護を始めるときにはまず、介護環境を整えるための費用が発生します。

「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(※)」によると、2021(令和3)年の在宅介護にかかる初期費用の平均は74万円でした。

具体的には次の介護用品が当てはまります。

・バリアフリー住宅改修(段差をなくす、スロープを付ける)
・介護用ベッド
・車いす
・歩行器
・ポータブルトイレやおむつ
・介護用の食器
・シャワーチェア
・呼び出しベル

要支援・要介護度が重くなるにつれて、在宅介護の初期費用が高くなる傾向があり、もっとも重い介護度「要介護5」の初期費用は107万円となっています。

みぃこ
みぃこ
要介護者の体や状況は一人ひとり異なるため、必ず要介護者に合ったものを選びましょう。自治体によっては、介護用品をレンタルできたり、補助金を出しているところもありますので、窓口やケアマネージャーに相談するのがおすすめです。特に手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖については、要支援1状態からレンタルできる場合もあります。

在宅介護にかかる月額費用:約4.8万円

2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(※)」によると、公的制度である介護保険制度を利用して在宅介護を行っている人の月額費用の平均は4.8万円でした(介護保険サービス利用料以外の滞在費・食費・オムツ代などを含む)。

しかし、実際に在宅介護にかかる費用は、要介護者の状態によって変化します。

具体的には、要介護度に応じて、利用するサービス内容の種類や量で金額は変動します。

要介護度により介護保険サービスの利用限度額が定められているため、限度を超えた場合は10割負担となるので計画的にマネープランを練ることが大切になります。

要介護度別にみる自己負担金額

ここでは、介護保険を利用した際、要介護度別にみる自己負担金額について紹介します。

要介護者の収入によって負担割合は1~3割の間で変動しますが、要介護度別で整理してみると具体的には次の表のようになっています。

要介護度が上がるにつれて、利用できる金額の範囲は広くなっていきますが、比例して自己負担となってしまう金額も大きくなっていく傾向があります。

先ほども述べましたが、限度を超えた場合は10割負担となるため、計画的にマネープランを練りましょう。

要介護度別にみる在宅介護費用のシミュレーション

ここでは、要介護度によって、発生するであろう金額をシミュレーションしてみます。

要介護1

要介護1の方の場合、日常生活の一部に介助が必要です。

具体的には、以下のような状況が想定されます。

  1. 買い物や掃除、料理、洗濯などでサポートが必要である
  2. 入浴や着替えなどの日常動作にも、介助が必要な場面がある
  3. もの忘れの症状も見られ、判断力や思考力に衰えが認められる場合がある

介護保険サービスでは、訪問介護やデイサービスを利用するケースが多いです。

要介護1では、比較的軽度のサポートですむため、ほかの要介護度と比べて費用負担が少ない傾向にあります。

要介護1の場合に利用される介護サービスの一例を次にまとめました。

・訪問介護:週1回(月4回)
・通所介護:週3回(月12回)
・福祉用具貸与:杖、手すり

このシミュレーションの場合、介護保険の利用料が1割負担であれば、月額費用は1.1万円程度です。

ただし、通所介護の食費などは実費となります。

要介護2

要介護2になると、日常生活の介助がさらに必要となります。

具体的には、以下のような身体状況です。

  1. 要介護1よりも、起き上がりや歩行、入浴や着替えなどで身体介助が必要
  2. もの忘れも多くなり、要介護1よりも判断能力の低下が認められる

要介護1より訪問介護やデイサービスの利用回数は増える場合が多いです。

要介護2の場合に利用される介護サービスの一例を以下にまとめました。

・訪問介護:週2回(月8回)
・通所介護:週3回(月12回)
・福祉用具貸与:杖、手す

このシミュレーションの場合、介護保険の利用料が1割負担であれば、月額費用は1.4万円程度です。

ただし、通所介護の食費などは実費となります。

要介護3

要介護3では、さらに多くの介護が必要となり介護サービスの利用頻度が高くなります。

具体的には、以下のような状況です。

  1. ひとりでは起き上がり、立ち上がりが難しい状態である
  2. 食事や入浴、排泄などの日常動作全般で介助が必要である
  3. 認知症が進行し、日常生活に支障をきたすこともある

訪問リハビリや訪問看護などの介護サービスを併用する場合が多く、費用がかさむ傾向があります。

要介護3の場合に利用される介護サービスの一例を以下にまとめました。

・訪問介護:週3回(月12回)
・通所介護:週2回(月8回)
・訪問リハビリ:週1回(月4回)
・福祉用具貸与:介護用ベッド、車いす

このシミュレーションの場合、介護保険の利用料が1割負担であれば、月額費用は2.2万円程度です。

ただし、通所介護の食費などは実費です。

要介護4

要介護4の方は、日常生活のほとんどに介助が必要といえます。

具体的には、以下のような身体状況です。

  1. 食事や入浴、排泄など、日常動作の全般に介助が必要である
  2. 認知症によりコミュニケーション能力の低下も認められ、意思疎通が難しい場合がある

通所介護や訪問看護だけでなく、宿泊して介護を受けるショートステイを利用する場合もあります。

要介護4の場合に利用される介護サービスの一例を以下にまとめました。

・訪問介護:週1回(月4回)
・通所介護:週4回(月16回)
・訪問リハビリ:週1回(月4回)
・福祉用具貸与:介護用ベッド、車いす

このシミュレーションの場合、介護保険の利用料が1割負担であれば、月額費用は2.9万円程度です。

ただし、通所介護や短期入所生活介護の食費や居住費などは実費です。

要介護5

要介護5は、最も重度で多くの介護が必要な状態です。

具体的には、以下のような身体状況です。

  1. おむつの交換や、寝返りの介助なども必要である
  2. 意思疎通も困難になる状態である

訪問看護の回数が増えることや、医師が自宅に訪問して医療サービスをおこなう居宅療養管理指導を利用する場合も多く見られます。

多くの介護サービスを利用し介護保険の利用限度額を超えた場合は、自己負担額が大きくなる可能性があります。

要介護5の場合に利用される介護サービスの一例を以下にまとめました。

・訪問介護:週2回(月8回)
・通所介護:週4回(月16回)
・訪問リハビリ:週2回(月8回)
・短期入所生活介護:月5回
・居宅療養管理指導:月2回
・福祉用具貸与:介護用ベッド、車いす

このシミュレーションの場合、介護保険の利用料が1割負担であれば、月額費用は3.5万円程度です。

ただし、通所介護や短期入所生活介護の食費や居住費などは実費です。

施設入所を検討するのはいつ?

介護によるストレスや疲労の度合いは人によって異なりますが、以下のような場合はすぐに施設入居を決断しましょう。

<介護をする方の状況>

・四六時中、介護のことが頭を離れない時。
・生きているのがつらく、希望がみえないとき。イライラや不安など、気持ちに余裕がなくなることが増えたとき
・介護者の年齢が50~60代であるとき
・仕事を退職して、介護に専念しようと考え始めたとき、睡眠時間が削られている場合
・介護疲れ: 身体介護で腰が痛いとき介護負担が最近特にまして、疲労が抜けにくいとき

<介護をされる方の状況>

・トイレの粗相がある。
・自宅内での歩行がつらくなってきた、室内で転倒しやすくなった。
・お金の管理ができなくなった
・火の消し忘れが多くなってきた
・認知症の症状が出てきた

施設入居といっても、介護老人保健施設(老健)特別養護老人ホーム(特養)、有料老人ホームなど、希望するサービスの内容や入居条件などによって選択肢はいくつも考えられます。

高齢になると、誰しも何らかの病気を抱えることが多く、年を重ねるごとにその症状は進行していくものです。

また、年々体力が下降していくのは介護者も同じで、そのため基本的に在宅介護の負担は少しずつ重くなっていきます。

施設入居の決断を、あれこれ考えこんで先延ばしにしないことが、被介護者にとっても介護者にとっても大切です。

在宅介護費用を抑える方法

介護費用は、基本的に本人の貯金と年金から捻出します。

介護費用を減額できる制度を知っておくと、費用負担を減らしたうえで、ストレスなく介護を進められますよ。

ここでは介護の費用を減額できるさまざまな制度について紹介します。

世帯分離

住民票を別にして、世帯を分ける方法です

介護サービスの自己負担額などは「世帯あたりの所得」を基準として計算されます。

住民票を分けることで1世帯あたりの所得が減るため、介護費用を節約できる場合があります。

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、介護保険制度の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、その超過分を国や市町村から助成金が支給される制度のことです。

金額は、所得や要介護度によって異なります。

例えば、月額上限額が1万円の場合、月に10万円分のサービスを利用しても9万円は高額介護サービス費として助成され、自己負担は1万円で済む仕組みとなっています。

適用されるサービスは、次の3つです。

居宅サービス:自宅で介護が必要な方に適したサービス。訪問・通所・短期入所の3種類が受けられる。
施設サービス:要介護の高齢者が入所する施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設など)で受けるサービス。施設によって、介護だけでなく医療やリハビリなどのサービスもある。
地域密着型サービス:高齢者が住み慣れた地域で暮らせるように、事業所の管轄内の要介護者・要支援者に対して提供されるサービス。訪問・通所・短期入所などのサービスや、認知症の方への支援、特定施設や介護保険施設でのサービスなどがある。

みぃこ
みぃこ
適用されないサービスもあり、特定福祉用具や住宅改修にかかる費用、施設入所時の居住費や食費、日常生活に必要な理美容代、配食サービスの費用は適用されず、自己負担になります。詳細は地域包括支援センターや市町村の福祉課などへ相談してみましょう。

高額療養費

高額療養費制度は、医療機関や薬局で支払う医療費の1カ月あたりの上限額を定めた制度です。

超過した金額は、医療保険から後日払い戻しされます。

高額療養費は、加入している医療保険に申請することで支給が可能です。

なお1つの医療機関で多額の支払いが発生する場合は、自治体から交付される「限度額適用認定証」を手配しておくことで窓口での支払いを軽減できるケースもあります。

高額医療・高額介護合算療養費

高額医療・高額介護合算療養費は医療費と介護サービス費の両方を対象とした制度で、医療費と介護サービス費の合計が年間の上限額を上回ったら、費用の支給を受けることができます。

上限額の基準は、高額療養費と同様に年齢と所得で異なります。

1カ月あたりではなく年間の費用で計算する点が特徴的な制度です。

医療費控除

1年間で支払った医療費が10万円を超える場合に、確定申告を行うと所得控除を受けられる税制上の制度です。

生計を共にする家族にかかった医療費を合算できます。

医療費として計算できるのは、健康保険などでまかなわれる金額を除いた自己負担額のみです。

寝たきりなどでおむつが必要な方は、医師による証明書があればおむつ代も医療費に計上することができますので、「医療費控除の明細書」を準備したうえで確定申を行いましょう。

みぃこ
みぃこ
申告した際の資料は5年間保管することが必要です。また、今は、自宅にいながらネット上で電子申告できるので、活用することをおすすめします。

生活保護

生活保護は、生活が極めて困窮している人が対象です。

保護費として現金を受給できる外、介護保険サービスの自己負担が免除される「介護扶助」、医療費の自己負担が免除される「医療扶助」、家賃の助成や住宅補修費用を補填してもらえる「住宅扶助」などがあります。

生活保護は困窮者の生命や人権を守る最後の砦として有名ですが、手続きなども必要なため慎重に検討しましょう。

まとめ:在宅介護は負担や費用を考えて決める

今回は、要介護度別に在宅費用をシミュレーションしてみました。

在宅介護は、要介護度が上がるにつれて、支出する金額も上がっていきます。

それに比例して介護する側の負担も大きくなっていきます。

近年、親の介護について相談してきたときには、親の介護で心身ともに疲弊していた事例も多数報告されているようです。

介護は年単位で続くものなので、本人の意思を尊重しつつ、自分の人生設計についてもしっかり想定して向き合っていきましょう。

ひとりで抱え込まず、まずは専門家に相談しましょう。

おつかれまさまでした!